音響マン

名古屋在住の音響マンのつぶやき

声優『前野智昭』の魅力とハマリ役

声優『前野智昭』の魅力はその渋い声にあると言っても良いかもしれません。声優さんに顔に似合わずというと失礼に当たるのかもしれませんが、彼にはそれが当てはまるかもしれない。

例えば彼の代表作の一つでもある弱虫ペダルという作品の中では、主人公が所属しているチームの最大のライバルである箱学というチームのキャプテン役の声を出していました。この箱学というのは日本一の実績のあるチームで主人公の最大のライバルでもあり、目標とするチームでもあるのですが、そこのキャプテンという事で鉄の意志を持つかのような人の役を演じていたという事です。一言で他を圧倒する感じのあるキャラなのですが、その声を見事に作っていたといっても良いでしょう。

一昔前の精神論を一番大切にするという感じがあるところもありますが、そのような中でも温かみもあって、実は思慮深いというようなキャラを演じさせると抜群にうまいというのが魅力の一つという事が言えるのかもしれません。声は作っているという感じがあるのですが、それがまた良いというところがあります。普段使っている声では無いという事は分かるのですが、その為に様々なバリエーションを出すことが出来るという事があって、そのギャップもまた良いという感じが出てきます。

一辺倒の声では今の厳しく競争が激しい声優の業界で勝ち抜いていく事は出来ません。さまざまなキャラを演じる事が出来る中で、これという代表的なモノがあることで、そのキャラが際立つようになるという事が言えるのかもしれません。前野智昭さんは存在感があるキャラを出すという事についてはまず一級品だと考えても良いでしょう。そのため、主人公にするよりも敵の大将のようなキャラにして圧倒的な存在感を出してもらうというのが良いと考える監督さんが多いのかもしれません。

敵の大将はある意味では主人公が目標とするような人物となるので、主人公以上に存在感を出してもらう必要があるのですが、それが出来るのが魅力という事になると思われます。