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名古屋在住の音響マンのつぶやき

日ナレの顔!中原麻衣が演じたアニメキャラまとめ

声優の中原麻衣さんは日本ナレーション学院、通称日ナレの卒業生その代表格とも言える存在でしょう。現在頒布されている学院のリーフレットにも彼女の顔が大写しになっています。愛らしいルックスもさることながら、演技派として知られる中原麻衣さん、これまで数々の有名キャラクターを演じてきました。その声優としてもキャリアは一体どのようなものなのでしょうか。


彼女が初めてテレビアニメへの出演を果たしたのが2003年のことですが、それ以来たくさんのキャラクターを演じてきました。彼女を世に知らしめた、とも言える二つの作品が2004年に放送されています。一つは人気シリーズ「ドットハック」のアニメ版である「黄昏の腕輪伝説」編にて主要キャラクターである国崎玲奈を演じました。この作品では妹、というキャラクター性を押し出していたこともあり、やや幼いイメージでしたが同時期の作品で「わがままフェアリー、ミルモでポン!」では南楓役を演じ、中学生ながら恋に悩む姿を好演し彼女の名が知られるようになってきました。


しかし、若い愛らしいキャラクターばかりが彼女の領分ではないことが徐々に明らかとなります。「ひぐらしのなく頃に」では愛らしい日常の姿と狂気に取りつかれるもう一つの姿を持った竜宮レナ役を怪演し、ファンの間での彼女の声は可愛いだけのキャラクター像を脱します。特にこれまで幼くふわっとした印象のキャラクターが多かった彼女の、予想だにしない全く逆方向に向いた演技は視聴者の頭を衝撃で揺さぶりました。


やや声のトーンを落とし、少し大人びた声を出すことも多くなりました。「境界線上のホライゾン」シリーズでは自動人形役を複数兼務し、声色に感情が乗らないながらも凛と落ち着いた大人の女性役を演じることがこの頃から増えてきます。同時期に「人類は衰退しました」では主人公のわたしを演じ、とにかく登場人物の少ない作品で長回しも多くなりがちでしたが独特の世界観をもつ作品の中で視聴者と同じ視点で話を進めてくれるキャラクターをきちんと演じました。長回しの中でも視聴者を疲れさせず、世界観も壊さずにまとめ上げる実力はさすがの一言でしょう。


色々な声色を使い分ける中で彼女の声がハマっている、と近年配役が増えているのが「笑顔で毒を吐く・説法をするお姉さん」といった路線であり、特に「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」の雪ノ下陽乃あたりがその代表格と言えそうです。彼女の屈託のない声音から突き刺さる文言の数々に、知らずにグサリと来るものを感じている視聴者も多いのではないでしょうか。可愛らしい声なのに底冷えのするものを感じる、というのも彼女の技術がなせる業です。


彼女の声優としての魅力は演じられるキャラクターの性格や年齢層の幅、と言っても間違いではありませんが何と言っても言葉の重みをコントロールすることに長けている点こそ最大の武器であると言えます。幼いキャラクターを演じる時は一言一言がライトに映り、反面に伝えなければならない言葉には声音はそのままで重い言葉を放つ、という芸当が出来る声優さんは決して多くはないでしょう。

 

言葉一つ一つがしっかり視聴者に入ってくる、というベースの上で演技の振り幅があるため、誰を演じても中原麻衣さん、とはならず逆に中原麻衣さんじゃないとダメというキャラクターが数多く生まれるのもそういった理由からなのかもしれません。


多くの有名声優を排出している日ナレの卒業生にあって、群を抜いた実力とそれに裏付けられた人気が同校の看板卒業生としての立ち位置を彼女に与えているのでしょう。次はどのような引出しを見せてくれるのか、次のシーズンが待ちきれません。