音響マン

名古屋在住の音響マンのつぶやき

スピーカーをつなぐとき「直列」と「並列」の違いで音は変わるの?

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ステレオスピーカーという言葉がある事からもわかる通り、通常音楽鑑賞を楽しむ際には左右にスピーカーを配置して音を鳴らしますが、より一層大迫力に感じたいといった目的を持っている際などは数を増やし、複数台を同時接続させたくなる場合もあります。


そのように一度に複数台を接続し同時に同じ音を鳴らしたいという時には、接続方法に関して直列もしくは並列のどちらかを選ばなければなりません。


音響設備においては直列と並列のそれぞれにシリーズとパラレルという名前が付けられており、学生時代の理科の実験を彷彿とさせるのですが、実は理科の実験のイメージはあながち間違っていなく、理科の実験で習ったような電気回路の原理がアンプとスピーカーに適用されていると考えて問題ありません。

 

直列とは


直列というのはその名の通り一本の電線のみで全ての対象物を繋ぎ合わせる方法の事を指し、スピーカーについても同じく各々が直接的に繋がっている状態です。

 

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数を増やしたいと考えている時には、一つ目と二つ目の中間部に対しプラスとマイナスの方向に注意しつつ挟み込めば良いので複雑さが感じられないのも魅力です。


並列とは

一方の並列では一つの電線が途中段階で2つに分かれている様子になっており、スピーカーに関しては直接的に繋がる事はなく複数台があるのに各々が独立しているといった様子になります。

 

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このように大きな違いと言えばスピーカーの独立の有無と使用する電線の本数という事になるのですが、繋ぎ方により音質が変化するのが音響機器ならではの特性です。

 

スピーカーをつなぐなら、負荷はかかるけど「並列」にした方がイイよ


一般的には直列で繋いだ方が音質が低下してしまい、その原因は直接的に接続しているが故にそれぞれが影響を与え合ってしまうためです。


しかも、全てが直接的に繋がり合っているので、途中段階でノイズが発生してしまうと線上に位置している全ての設備が影響を受けてしまいますし、線が物理的に長いため尚一層ノイズが増幅されてしまいます。


他にも直列は交流抵抗が大きくなるので、それぞれの機器が出力できる音量よりも小さくなってしまい、見た目では多数の機器が接続されているように見えても、実際はあまり迫力を感じないといったトラブルに見舞われやすいです。


出力が小さくなるため直列はアンプに負荷がかかりにくく優しいという見方がされますが、小さくなってしまった分出力を高めようとするので負荷が小さくなるどころか大きくなってしまいます。


ただし、アンプに対する負荷という観点で見た場合最も大きいのは並列であり、独立した各機器に対し電気を流すので数が増える程倍増していきます。


アンプが持ち合わせているポテンシャルがあまり高くないといった事例では、性能よりも多くの電力が供給されてしまうとアンプが破損するリスクがあります。


直接繋ぐ場合よりも並列の方が音質は良いですが、やはり各々が干渉する形になるので優れた音質にはならないため、設置方法を考慮するといった対策を行いましょう。