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名古屋在住の音響マンのつぶやき

「矜持」の意味と使い方【例文付き】

一度は矜持という言葉を映画やテレビなどで聞いたことがあるでしょう。もしくは小説などで見た経験がある人もいるかもしれません。そのような人でも漢字で書くことを求められると困るケースが大半です。それどころか意味すらよく分かっていないケースも珍しくないです。

 

たしかに日常的に使うものではないので、知らなくても不思議なことではありません。しかし、矜持という単語を詳しく把握しておいて損はないです。うまく使えるとボキャブラリーが豊富ということで一目置かれることが多いですし、自然な形で教養があることもアピールできます。正確に意味を理解したうえで使い方を習得しておきましょう。


簡単な単語に置きかえるとプライドです。つまり自己のスペックが秀でいていると感じ、自信を持った態度でいることを表現しています。そう言われると嫌味なニュアンスのある単語だと受け取る人もいるかもしれません。決してそのようなことはなく、相手を見下すような意味合いはないので注意しなけばなりません。その注意点を守らずに使うと、見栄を張ることを表現するときに使うようなミスを犯すことになります。自慢のような世俗的な意思は含まれておらず、強い誇りを胸に秘めている姿を連想させる単語であると覚えておきましょう。


良く似たものとして矜恃という単語もあります。字面がほぼ同じなので混同して使われがちですが、両者には少し差があるので理解しておいた方が良いでしょう。こちらは明らかに自信に満ちていて、何事にも動じずに行動するという意味合いがあります。一方で矜持は、前述のように自分の中に誇りを秘めて抑えているというニュアンスです。自尊心の高さを表現していることは共通ですが、微妙な差があることを踏まえておくと良いでしょう。例文をいくつか知っておくと、適切なシーンで使えるようになります。


たとえば「男の矜持を持つことが重要」という表現は、男のプライドを持つことを呼びかけています。この例文の場合は男らしさと言い換えることも可能です。

 

この使い方は任侠映画などでよく見られるものであり、典型的な使用方法といっても過言ではありません。男のプライドというより憂いや風情があると感じる人も多いのではないでしょうか。それは前述のように胸の内に備えることを促しているからです。心に強い芯を持つことによって、困難なことが立ちはだかっても揺るがないことをイメージできるでしょう。

またプライドを持つように言われると、まるで馬鹿にされたかのように感じる場合もあります。その結果、自分がとても情けない男のように感じられるかもしれません。それに対して、この例文のような言い方だと馬鹿にされているような意味合いがなくなります。素直にプライドを持ってもらいたいときに有効です。


「矜持が傷つけられた」という例文も覚えておいてください。これは他人の言動や振舞いによって、プライドが傷ついたときに使う表現です。単純にプライドが傷ついたというより深みが感じられるでしょう。プライドという言葉を使ってしまうと、自意識過剰なことが原因であるかのように受け取る人もいます。前の例文からも分かるように、そのようなネガティブな意味を払拭する力のこもった単語ということです。

 

この例文であれば、胸の奥に秘めた大切なものが傷ついてしまったという印象が強くなります。さらに「矜持が許さない」という表現について考えてみると分かりやすいです。プライドが許さないという表現を使うと、心が狭い印象を与えかねません。場合によっては人間としての器が小さいと見なされることもあるでしょう。こちらの表現であれば、筋を曲げない心の強さを感じさせることが可能です。