音響マン

名古屋在住の音響マンのつぶやき

アニメの音響監督になるには?

アニメを作る仕事に携わりたいと思ったときに、多くの人が思い浮かべるのが声優なのではないでしょうか。キャラクターに命を吹き込む声優はアニメにとって表看板といえる仕事だといえます。次に物語を統括する監督、ストーリーを作る脚本家、画像を作っていくアニメーターなどいろいろな職業がありますが、その中でも特に重要なポジションであり、声優のキャスティングや演出、音響の効果などあらゆる場面で監督の次にかかわってくるのが音響監督です。


音響監督は声優のセリフのトーンなどに細かく指示を出すほかに、BGMをどのように差し込んでいくのかなどアニメの音に関して大きな権限を持っている存在です。音響監督のセンスによってどのような作品になるかが大きく左右されてしまうといっても間違いないくらい重要なポジションになります。もちろん全体を見るのは監督の仕事ですが、監督と兼業になっている場合も珍しくなく、制作現場での存在感は非常に大きなものなのです。


音響監督になりたいと思っても実はなかなかなることができないポジションです。まず求人で直接音響監督を募集しているということはまずありません。ですから最初は音響関連の仕事を専門にしている音響制作会社に就職をして、ミキサーやエンジニアなどの音声スタッフとして経験を積む必要があります。

やはり音響についてはセンスも重要ですが、経験が非常に大切な仕事です。ミキサーの仕事が解っていなければ指示も出せませんし、効果音の使い方などより効果的に差し込んでいくためにはノウハウを積み上げる必要があります。そのためにも下積みが必要になるわけです。


だから音響制作会社に就職をして修行をする必要があるわけですが、まずそこに就職するための勉強が必要になります。音響制作会社も何も知らない人を採用して、一から学ばせてくれるような余裕はありません。即戦力を求めているわけですから、経験がある人やしっかりと勉強をしている人から採用していきます。


音響制作会社に就職をしたいのなら、専門学校で音響の勉強をして知識や技術を身に付けていくのがより可能性の高い方法だといえるでしょう。


また音響監督は音響に詳しいだけではなく、現場でのコミュニケーション能力も求められます。アニメの制作現場は初対面で初めて仕事をするといったケースも珍しくなく、中心的な役割をしなければならない立場です。うまく自分と相手だけでなく、チームとしての雰囲気づくりをしていくのも仕事になりますから、コミュニケーション能力が重要になります。


音響の勉強をしながら普段から積極的に人とかかわるようにすることが、自分の能力を高める方法といえるでしょう。

 

アニメは日本が世界に誇る文化の一つです。しかし現在は人手不足の状態が長く続いているので、しっかりと知識と技術を身につけることができれば、活躍する場もたくさんあるといえます。
専門学校などで音響を専門に学んでみるのもいいのではないでしょうか。